
「脂肪幹細胞研究の四半世紀 ― 光と影を見つめ、次の時代へ」
このたび、2027年5月29日(土)、順天堂大学7号館有山登メモリアルホールにおきまして、第12回脂肪幹細胞研究会を開催させていただくこととなりました。本研究会の会長を務めさせていただくにあたり、謹んでご挨拶申し上げます。
脂肪幹細胞は、比較的低侵襲に採取可能であり、多分化能に加えて、血管新生作用、抗炎症作用、免疫調節作用など多彩な機能を有することから、再生医療における有望な細胞ソースとして長年にわたり研究が進められてきました。現在では基礎研究にとどまらず、さまざまな疾患や病態を対象とした臨床応用が試みられ、その可能性はさらに広がりつつあります。
私自身、米国留学中の2001年に、ヒト脂肪組織から得られる細胞群が脂肪、骨、軟骨、筋などへの多分化能を有することを世界に先駆けて報告した研究チームの一員として、この領域の黎明期から脂肪幹細胞研究に携わってまいりました。当時、脂肪組織が骨髄に代わる新たな幹細胞供給源となり得ることを示したこの研究は、その後の脂肪幹細胞研究の発展につながる一つの契機となりました。それから四半世紀余りを経て、本研究会の会長を務める機会をいただいたことには、私自身、特別な思いを抱いております。
一方、脂肪幹細胞をはじめとする再生医療が研究段階から実際の医療へと大きく歩みを進めた今、その有効性や将来性のみならず、安全性や治療の妥当性についても改めて検証すべき時期を迎えています。近年、幹細胞治療に関連した重篤な有害事象も報告されており、安全な細胞調製、適切な投与方法、治療適応の判断、さらには治療提供体制や規制のあり方など、私たちが真摯に向き合うべき課題が浮き彫りとなっています。
そこで第12回研究会では、脂肪幹細胞研究の新たな成果や臨床応用の可能性を共有するとともに、あえてその「光」だけでなく「影」にも目を向けたいと考えています。期待される治療効果とともに、その限界やリスク、有害事象から得られる教訓についても、基礎研究者、臨床医、行政、企業など、それぞれの立場から率直に議論する機会としたいと思います。
新しい医療技術の健全な発展には、その可能性を追求する姿勢と同時に、問題点を正しく認識し、科学的かつ冷静に検証する姿勢が不可欠です。脂肪幹細胞研究の黎明期に携わった一人として、その可能性を信じるからこそ、今一度その原点に立ち返り、安全性と科学的妥当性を見つめ直すことが重要であると考えています。本研究会が、これまでの歩みを振り返るとともに、脂肪幹細胞を用いた再生医療をより安全で信頼される医療へと発展させるための、新たな一歩となることを願っております。
多くの皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。
第12回脂肪幹細胞研究会
会長 水野 博司
順天堂大学医学部形成外科学講座
第12回(2027年度)開催日程
会期:2027年5月29日(土)11:00~18:00(予定)
場所:順天堂大学7号館 有山登メモリアルホール
〒113-8421 東京都文京区本郷2-1-1
JR 御茶ノ水駅徒歩7分
東京メトロ(丸ノ内線) 御茶ノ水駅徒歩7分
東京メトロ(千代田線) 新御茶ノ水駅徒歩9分
事務局:株式会社メディプレナー内
参加費:医師 3,000円
行政機関 3,000円
コメディカル 1,000円
企業 5,000円
学生・研修医は無料
※お申し込み・講演内容などの詳細は改めてお知らせします。
研究会事務局より
〒534-0011 大阪府大阪市都島区高倉町3-2-26
株式会社メディプレナー
脂肪幹細胞研究会 事務局 原 美穂
電話番号:06-6921-5571
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